駒得の永瀬王座、効率の木村九段 将棋王座戦第3局

社主催、東海東京証券特別協賛)五番勝負の第3局が22日朝、神奈川県秦野市の陣屋で始まった。両者1勝1敗で迎える天王山は永瀬王座の先手番で、持ち時間は各5時間。

午前8時41分、3連覇を目指す永瀬王座が対局室に入った。同43分、和服姿の木村九段も入室。定刻の午前9時、立会人、塚田泰明九段の合図で対局が始まった。

(図は△7三同銀まで)

戦型は相掛かりに進んだ。木村九段の先手だった第2局に続き先後を入れ替え同じ戦型に。両者とも金銀をあまり動かさず、飛車角桂が主役の急戦調の戦いになった。永瀬王座は交換した角を使い桂得を果たした。

解説の深浦康市九段は「相掛かりで最新のテーマといえる形になった。駒得の先手に対し、後手は形がよく駒の効率がいいという主張だろう。形勢は互角の範囲だが、先手に選択肢が多く後手としては怖い局面が続きそう。相手の攻めを引っ張り込む木村流らしい、ともいえる」と分析する。

〈指し手〉▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲3八銀△7二銀▲9六歩△5二玉▲4六歩△7四歩▲2四歩△同 歩▲同 飛△3四歩▲7六歩△7三桂▲7七角△同角成▲同 桂△2二銀▲7五歩△8四飛▲5六角△7五歩▲7四歩△2三銀▲2五飛△7六歩▲7三歩成△同 銀

対局の模様は「将棋王座戦中継サイト」(http://live.shogi.or.jp/ouza/)でライブ中継しています。